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アメリカの国立公園カメラの見どころ

アメリカ国立公園局のカメラは12台。観光案内のカメラだと思って開くと、 やたら地味な方角を向いていて拍子抜けすることがあります。 それには理由があって、多くは景色を見せるためではなく、空気を見るために置かれています。

あのカメラは、空気の透明度を測っている

アメリカの国立公園には、大気の状態を監視する仕組みがあります。 遠くの山がどれだけはっきり見えるか ―― 専門的には視程といいます ―― を継続して記録することで、大気の汚れ具合の変化を追うのです。

そのための道具として、決まった方角の決まった景色を、決まった間隔で撮り続けるカメラが置かれました。 同じ構図の写真が何年ぶんも並べば、「10年前は見えていた尾根が、いまは霞んで見えない」 といった変化が一目で分かります。

だから構図が動きません。ズームもしないし、絵になる方向へ振ることもない。 観光客が撮る写真とは目的がまるで違うので、 「なぜここでこの方角なのか」と思う画角のほうがむしろ正常です。 そう分かって見ると、遠くの稜線がくっきり見える日にちょっと嬉しくなります。

山を見るカメラ

水と森のカメラ

乾いた土地のカメラ

間欠泉と火山

オールド・フェイスフル間欠泉(ワイオミング)は、 12台の中でいちばん「当たり外れ」がはっきりしたカメラです。 この間欠泉はおよそ90分前後の間隔で噴き上がります。 間隔は一定ではありませんが、規則性があることから 「Old Faithful(律儀なやつ)」という名前がついています。

つまり開いた瞬間に噴いている確率は低く、しばらく待てば当たるカメラです。 噴き上がりは数分続くので、タブを開いたまま放っておくのが正解かもしれません。

そして、このサイトに載せている110台のうち 動画を流しているのはこの1台だけです。 イエローストーンの公式ページにも、10台あるカメラのうち動画配信はここだけだと書かれています。 しかもこのカメラは公園の予算ではなく、キヤノンUSAからの寄付で維持されています。 待てば噴くカメラを動画で見せるには、それだけの費用がかかるということです。 残りの11台は、他の機関のカメラと同じく静止画です。

ハワイ火山国立公園(ハワイ島)は、 キラウエアとマウナロアという2つの活火山を含む世界遺産の公園です。 火山活動の状況によって見えるものが変わるので、他の公園とは性質が違います。 同じ島の火山を観測目的で映しているカメラについては、 火山カメラの記事のほうに書きました。

見るなら日本時間の深夜

12台はアラスカから東海岸まで散っていて、日本との時差は13時間から19時間あります。 まとめて明るいのは日本時間の深夜0時から4時ごろです。 日本の夜8時から10時ごろだと、西側の公園が朝を迎えたあたりになります。

なお、冬季に道路が閉鎖される公園では、カメラの保守ができずに止まることがあります。 このサイトに載せるにあたっては、画像がきちんと更新され続けているかを一台ずつ確認し、 数か月止まったままのものは外しました。それでも、季節や整備の都合で一時的に止まることはあります。

国立公園のカメラは、観光地の絶景カメラとしては期待外れかもしれません。 ただ、「これは記録のための装置だ」と思って見ると、 何でもない尾根が今日はどこまで見えているか、という見方ができるようになります。

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